まりぶのミニマル手帖

少ないモノで、心を豊かに。私だけの「ちょうどいい」を探して

タダのものが高額品になった話 その1 バカボン着替える

↑なんとも年季の入った一品です。

こんにちは、まりぶです。

このコーヒーカップは、娘が小学生のときに作ったもの。
担任の先生が焼いてくださったカップに、娘が絵付けをしました。

もう25年も前のものです。

形は少しいびつ。
絵付けは、どこか『バカボン』のほっぺと着物の柄のようで(笑)

でも、このきちんとしすぎていない、ゆるやかな感じが好きで、
ほとんど毎日のように使っていました。

ある日、洗おうとした瞬間――
手が滑り、シンクの角に「コツン」。

嫌な音がしました。

見ると、結構派手にヒビが。

「ああああああ!バカボンカップが!!」

ついにサヨナラの時を迎えたのか……そう悲しく思いながらも、どうしても手放す気になれずずっと出窓に置いていました。

-------------------------

そこで思いついたのが「金継ぎ」。

調べてみると、車で20分ほどの場所に工房があることが分かりました。

その地域は、かつて和紙の生産で栄えた町。
今はすっかり静かになっていますが、
親戚の工房を引き継いだ30代の男性が、漆を使い、和紙を食器にするなど新しい挑戦をされていました。

見せていただいた金継ぎの作品は――

お茶の先生から贈られた大切な器。
おばあさまから受け継いだ高価な食器。

どれも、いかにも“立派”なものばかり。

そんな中で、
「こんなバカボンカップええんやろか……」
と私はおそるおそる娘のコーヒーカップを差し出しました。

けれど、職人さんはとても穏やかに、

「大事に使われてきたのが伝わりますね」

と言って、快く引き受けてくださいました。

-------------------------

そして、待つこと半年。

ようやく戻ってきたのが、こちらです。

バカボンが立派な着物に着替えてる!!!

 

金継ぎ代、税込11,000円。
タダだったものが、立派な“高額品”になりました。(笑)

けれど不思議なことに、
その金の線が入った姿を見た瞬間、

「高い」とは思いませんでした。

むしろ、

「なんて素敵に生まれ変わったんだ。」

そう感じたのです。

そして以前にもましてお気に入りになり、
扱いも自然と丁寧になりました。

-------------------------

ミニマリズムを始めてから、
どんぶりな私もお金の使い方には以前よりも慎重になりました。

けれど今回、

「使うところには惜しまず使う」

という選択ができたことが、
とても気持ちよかったのです。

安いから買う。
高いから大切にする。

そうではなく、

大切だから、手をかける。

私はそういう風にモノを扱いたかったのだと改めて感じました。

そしてタダだったこのカップは、
私にとって、いちばん価値のある器になりました。